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✼ ✼ ✼ 23rd Sep, 2020 ✼ ✼ ✼
定休日。おやじの休日です。
午後からすこし時間ができたので先週の Louis Smith に続いてブルーノートを聴いてみることに。
午後からすこし時間ができたので先週の Louis Smith に続いてブルーノートを聴いてみることに。
➽ で、手にしたのはこちら、
先週のルイ・スミス(1584・1594番)以降、4006番でディジー・リース、4007番でドナルド・バードとトランペッターにリーダー作を与えたアルフレッド・ライオンが次に白羽の矢を立てたのは、
(Blue Note BLP-4040)
1960年6月19日録音
フレディ・ハバード弱冠22才、BN初レコーディングで、いきなりのリーダー作です。
フレディ・ハバード弱冠22才、BN初レコーディングで、いきなりのリーダー作です。
Freddie Hubbard (tp)
Tina Brooks (ts)
McCoy Tyner (p)
Sam Jones (b)
Clifford Jarvis (ds)
横顔ながら、この「ドヤッ」っていう顔そのものですな。
ハバードと同い年のマッコイ・タイナーもこれがまだ4度目のレコーディング、BNでは初録音。控えめなバッキングから飾らなくても自然に煌く素晴らしいソロ。
そしてなんと18才のクリフォード・ジャービスも本当に見事なサポート。
そして、やはりこの人にも耳が引き付けられてしまいます。
ティナ・ブルックス。
ティナの鼻にかかったようなテナーが病み付きになっている方も多いのでは。
➽ そこでお次は、
番号順に並べた私のレコード棚では『Open Sesame』のすぐ隣、つい手が伸びやすく仕掛けられているかのよう。
Tina Brooks / True Blue
(Blue Note BLP-4041)
1960年6月25日録音
録音は『Open Sesame』の1週間後、メンバーもピアノとドラムス以外は同一です。
Freddie Hubbard (tp)
Tina Brooks (ts)
Duke Jordan (p)
Sam Jones (b)
Art Taylor (ds)
ブルーノートでは Kenny Burrell『Blue Lights Vol.1 & Vol.2』(1596 1597)、Jimmy Smith『Open House』(4002)『The Sermon』(4011)、Kenny Burrell『On View At The Five Spot』(4021) とすでに5作品に参加してきたティナですが、今ひとつ印象が薄かった印象です。
編成が大きく埋没してしまいがちなのか、オルガンや、なぜだか分かりませんがブルージーなギターとの相性がよくないような気がします。あるいは単にまだ遠慮していたのか?
ところが、『Open Sesame』とこの初リーダー作『True Blue』では、ぐっと個性が輝きはじめます。
正規盤としては未発表で、後年世に出たリー・モーガンとの2管作品『Minor Move』(58年3月録音)もそうですが、この人は2管クインテット、とりわけ溌剌としたタイプのトランペッターとの相性がよかったのではないでしょうか。
(※ カラッしたタイプのトランペッター Howard McGhee のリーダー作『the Connection』(Felsted 60年6月録音) も良いです。)
アルバム最後を飾るこの曲をどうぞ、
(というか、なんで『マイナー・ムーヴ』がお蔵入りなの? これがデビュー作として出ていたらティナの代表作になっていたでしょうに。。。)
(Blue Note BLP-4055)
1960年8月13日録音
ティナ・ブルックス、今度はアルトのマクリーンとのコンビです。
1960年8月13日録音
ティナ・ブルックス、今度はアルトのマクリーンとのコンビです。
Jackie McLean (as)
Tina Brooks (ts)
Freddie Redd (p)
Paul Chambers (b)
Louis Hayes (ds)
マクリーンとティナ、この日が初の顔合わせ(レコーディング上では)。
マクリーンもティナと同じく鼻にかかったクセのある音色のサックス奏者です。
これが相性抜群 !!!
アルフレッド・ライオンもこの二人を組ませることは冒険だったのかもしれません。
ところがビックリの相乗効果(笑)
話はそれますが、実は私、発酵食品同士の食べ合わせが大好き。
よくある納豆キムチだけではなく、チーズと野沢菜、納豆と白菜漬、など一緒に口に入れて鼻から息を抜くと、もう堪らない。。。
ティナとマクリーンは、まさにこんな臭みプンプンの発酵食品同士の組み合わせなんでは ??? (笑)
♪ Freddie Redd / Thespian(1960年)
この「旨み」に気付いたライオンは、『Shades Of Redd』の翌月 9月1日、再びティナをマクリーンと組ませた上、相性のよいトランペッター(ブルー・ミッチェル)を加えた3管セクステットを録音するわけです。
➽ それがこの作品、
Jackie McLean / Jackie's Bag
(Blue Note BLP-4051)
1960年9月1日録音
このアルバムはA面とB面で編成が違いますが、そのB面3曲が、
Jackie McLean (as)
Tina Brooks (ts)
Blue Mitchell (tp)
Kenny Drew (p)
Paul Chambers (b)
Art Taylor (ds)
聴いてください、見事な完成形です。
ちなみに、この9月1日のセッションは計 6曲。『Jackie's Bag』B面に収録された3曲以外にもう3曲ありました。
1980年発売のキングの未発表シリーズ『ストリート・シンガー』Street Singer(GXF-3067)はこの6曲を録音順に収録したものでした。
左 Minor Move (GXF-3072)
中 Back To the Tracks (BRP-8033)
右 Street Singer (GXF-3067)
9月1日のセッションに続いて翌 10月20日、ライオンはティナを再びトランペッター(どちらかといえば溌剌としたタイプのブルー・ミッチェル)と2管5tet で録音させています。
そして、それは 4052番として番号まで与えられ、ジャケットデザイン(上掲写真)まで決まっていながら未発表に終わったティナ・ブルックス2枚目のリーダー作『Back To The Tracks』となるはずだったのです。
ところが、4052番はとうとう発売されませんでした。
同じトランペッターとの組み合わせながら、新進気鋭のハバードとの6月の2回のセッションに比べて明らかに平凡です。
4052番をを出さなかったところがむしろライオンのライオンたるところなんでしょう。
相手のミッチェルがどうのというのではなく、すでに薬物依存によって蝕まれていたティナ自身の問題もあったのかもしれません。
このあとティナは、61年1月と3月に録音したのを最後にジャズの表舞台から消えていくのでした。
※ ともに今ではCDで聴けます。ここでもマクリーン、トランペッターとしか組ませていませんね。
左 Freddie Redd / Redd's Blues 61年1月録音
マクリーン、ベニー・ベイリー(tp) との3管
右 Tina Brooks / Waiting Game 61年3月録音
ジョニー・コールズ(tp) との2管
思えば1960年夏の数ヶ月が彼の絶頂期だったのです。
ティナ・ブルックス 1974年8月没(享年 42歳)
最後は幻の4052番『Back To the Tracks』から、
※ ティナ・ブルックスのジャケ写真付きディスコグラフィはこちらをご参照ください。
それでは明日の皆様のご来店をお待ちしております。