ブルース、ジャズ、オルタナ、日本のロックなどのLPを追加しました。


名古屋・愛知~レコード全ジャンル買取中 !
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✼  ✼  ✼     28 th  June, 2019    ✼  ✼  ✼





各ジャンルのLPレコードを追加しました。



そのうちの一部を紹介します。







クリエイション 『ピュア・エレクトリック・ソウル』
(東芝EMI ETP-72234)

サディスティック・ミカ・バンド『Hot Menu』
(東芝EMI DTP-72099)

紫 『紫』
(徳間音工 BMC-3004)

ロバート・ジョンソン
『キング・オブ・ザ・ブルース・シンガー2』
(CBSソニー 20AP-2192)

ライトニン・ホプキンス
『ライトニン・ストライクス』
(テイチク ULS-6021)

Liah / Straight From The Hip
(英Decca オリジナル盤)

Sonic Youth / A Thousand Leaves
(米 My So-called オリジナル盤)

Pale Fountains / From Across The Kitchen Table
(英 Virgin オリジナル盤)

Lee Morgan / The Sidewinder
(Blue Note 4157 モノ NY Ear)

Sonny Rollins / Work Time
(Prestige レモンNYC GG DG 額)

Zoot Sims / Koo Koo With...
(Status モノ VAN GELDER)





そんな中で1枚。





Unicorn / One More Tomorrow

(英 Harvest オリジナル盤, 1978年)



水着の女性がしゃがみ込むビーチから弾道ミサイルが。。。

これでどんな音楽が出てくるか想像する方がムリ。


タイトル曲を聴いてください。

♬ Unicorn / One More Tomorrow (1978年)



ピンクフロイドのデビッド・ギルモアがプロデュースだなんて思えない、アメリカ西海岸風フォークロック。


UKロックには 「イギリスのアメリカ」 っていうヘンテコな括りがあります。 ジャンルと言うほどではないですが一種の "テイスト" みたいなものでしょうか。



70年代のイギリスは英国病の末期患者状態。 経済は停滞し財政は破綻状態でした。


パンクロックはそんな中で生まれたわけですが、一方で、もうちょっと穏便に行こうやっていう連中は、アメリカに憧れてディランやイーグルスを夢見て西海岸風のフォーキーな音楽を作ったりしていました。(パンクに比べればはるかにマイナーな世界ですが。)



ただし、そこは英国人。 カリフォルニアの空気のようにカラッとはなりきれず、どこかしら湿り気や憂いみたいなものが感じられ、逆に 「イギリスのアメリカ」音楽 の魅力にもなっています。


グリース・バンド、ジャック・ザ・ラッド、ブリンズレー・シュワルツ、ギャラガー&ライル、マクギネス・フリント、アンドウェラ、エース・・・ なんかが有名どころでしょうか。(有名でもないかっ?  笑)



この盤なんかは、そんな数多ある 「イギリスのアメリカ」 のB級盤の一つといった感じですが、この手の音楽が好きな人には十分食指が動く一枚かと思います。




それでは、本日も皆様のご来店お待ちしております。



  

【 本日のその他の追加盤 】
以下の各コーナーにも追加しました !!!
 
 [ ジャズ 50・60年代 LP ]
 [ ロック US・UK盤  LP ]
 [ 和モノ LP
 [ ロック・ソウル CD ] 



 

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おかげさまで今日現在、部門 第 1位 です。

 

【プレスティッジ ジャズLP 買取価格リスト】Prestige & New Jazz




プレスティッジ LP   最新買取価格リスト  
     

   

 最新更新:2022年6月 /  買取価格保証:2023年10月迄  

  

 
✽ ジャズの各レーベルのレコードをお売りください。

人気盤は、市場価格の 65~85% で買い取ります。




今回は  『Prestige & New Jazz』 のオリジナル盤の買取り価格のご案内です。



お客様の貴重なコレクションを一枚一枚きちんと鑑定査定して、次のオーナーになる方へとしっかり橋渡しできればと思っております。


また、盤に多少キズがあったりジャケットが底抜けしていたりするものであっても、レコード本来が持つ音楽的価値や音質的な価値をよく理解した上で、責任を持ってご納得いただける査定価格をお示しできるよう努めております。



『ブルーノート 編』 はこちらをクリックしてください。
👉 【ブルーノート LP 買取価格リスト】 1500番台 編
👉 【ブルーノート LP 買取価格リスト】 4000番台 編




買取見積総額に応じて以下のような方法も承っております。
★ 2万円以上 = 全国 / 宅配便着払い可
★ 6万円以上 = 東海3県 / 無料出張可
★ 12万円以上= 関東~近畿 / 無料出張可
★ 30万円以上= 全国 / 無料出張可
(その他 お電話ください。ご希望に応じて相談させていただきます。)
※ 1枚1枚すべての査定額を記した一覧表をお付けいたしております。



 
 *  *  *  *  *


 

【当店の Prestige 系 LP 買取価格例】 



リスト中の買取価格は、 

美品買取価格 ( EX盤   VG+盤 の査定比率)   の順です。
・ 査定比率= 店頭販売予定(税抜)価格に対する買取額の割合です。
・ EXは「上の下」程度、VG+は「中の中」 程度が目安です。
・ 盤・ジャケットともオリジナル初回仕様の査定価格です。
・ ジャケットの状態も盤質と同程度の場合とします。
・ NYC、DG などは特記なき場合両面です。 (略号の意味はページ末尾をご覧ください。) 

 
【参考】
👉 プレスティッジ オリジナル盤 判定判別について




〔例〕 
7105  Coltrane  (NYC Flat 447cvr)
110,000円   (EX80%  VG+75%)      
の場合、
① 美品は 110,000円 で買取
EX盤= 市場価格の 80% で 買取
③ 
VG+盤= 市場価格の 75% で 買取






JOHN  COLTRANE






7105  Coltrane  (NYC Flat 447Lam)
110,000円   (EX80%  VG+75%)            

7142  Soul Trane  (黄NJ DG 白esmond)
33,000円   (EX80%  VG+75%)            

7316  Black Pearls (黄NJ Lam)
24,000円   (EX80%  VG+70%)                





MILES  DAVIS





7007  The Musing Of Miles  (NYC Flat 耳 額)
68,000円   (EX80%  VG+75%)      

7012  Dig (Lemon DG 額)
45,000円 (EX80%  VG+70%)  


7014  The New Miles Davis Qintet  (NYC Flat 筆記体ロゴcvr)
55,000円   (EX80%  VG+75%)            





ERIC  DOLPHY 





8236  Outword Bound  (紫 太DG)
35,000円   (EX80%  VG+70%)      

8252  Out There   (紫 太DG)
28,000円  (EX80%  VG+70%)      


8260  At The Five Spot Vol.1  (紫 太DG)
75,000円  (EX80%  VG+75%)      





ART  FARMER






7017  Art Farmer Quintet  (Lemon DG 額)
30,000円  (EX80%  VG+70%)           

7031  Art Farmer Septet  (Lemon DG 額)
24,000円  (EX80%  VG+70%)          

7062  Two Trumpets  (NYC DG 447Lam)
35,000円  (EX80%  VG+70%)    


7085  When Farmer Met Gryce  (NYC DG 447Lam)
38,000円  (EX80%  VG+75%)             





TOMMY  FLANAGAN 





7134  Overseas  (NYC DG Lam)
280,000円  (EX80%  VG+75%)          

8217  The Cats  (紫 太DG オール白字 3.98cvr)
55,000円  (EX80%  VG+70%)       





RED  GARLAND 






7064  A Garland Of Red  (NYC Flat 447Lam)
30,000円   (EX80%  VG+70%)   


7086  Red Garland's Piano  (NYC DG 447Lam)
28,000円  (EX80%  VG+70%)    
        
7113  Groovy  (NYC Flat 447Lam)
40,000円   (EX80%  VG+75%)       





ROY  HAYNES  





8210  We Three  (紫 太DG 3.98Lam)
35,000円  (EX80% VG+70%)         

8245  Just Us   (紫 太DG Lam)
25,000円   (EX80%  VG+75%)                

8286  Cracklin' (紫 片DG Lam)
22,000円   (EX75%  VG+70%)       


8287  Cymbalism (紫 片DG カゼヒキなし)
18,000円   (EX75%  VG+70%)         




JACKIE  McLEAN  





7035  Lights Out!   (Lemon DG 手書きRVG 額)
55,000円  (EX80%  VG+75%)       

7048  4, 5 & 6  (NYC Flat 447Lam)
55,000円  (EX80%  VG+75%)   

7068  Jackie's Pal  (NYC Flat 447Lam)
50,000円  (EX80%  VG+75%)        








8212  McLean's Scene   (紫 太DG 3.98Lam)
30,000円  (EX80%  VG+70%)      

8231  Makin' The Changes  (NYC Flat Lam)
30,000円  (EX80%  VG+70%)    

8253  A Long Drink Of The Blues  (紫 太DG Lam)
28,000円  (EX80%  VG+70%)        





HANK  MOBLEY 






7061  Mobley's Message   (NYC DG 447Lam)
90,000円   (EX80%  VG+75%)       

7082  Mobley's 2nd Message  (NYC Flat 447Lam)
68,000円   (EX80%  VG+75%)             
  




SONNY  ROLLINS





7020  Work Time  (Lemon DG ニス額)
70,000円   (EX80%  VG+75%)     

7047  Tenor Madness  (NYC Flat 447Lam)
48,000円   (EX80%  VG+75%)           

7079  Saxophone Colossus  (NYC Flat 447Lam)
180,000円   (EX80%  VG+75%)        





ART  TAYLOR

 



  
7117  Taylor's Wailers  (NYC DG 447Lam)
40,000円  (EX80%  VG+70%)       

8219  Taylor's Tenors  (紫 太DG 3.98cvr)
45,000円  (EX80%  VG+70%)    





GEORGE  WALLINGTON




 
7032  Jazz For Carriage Trade  (Lemon DG 額)
48,000円  (EX80%  VG+70%)    

8207  The New York Scene  (紫 太DG 3.98cvr)
60,000円  (EX80%  VG+70%)         





PHIL  WOODS





 
7018  Woodlore  (Lemon DG 額)  
58,000円 (EX80%  VG+70%)    

7046  Pairing Off  (Lemon DG 447Lam)
30,000円  (EX80%  VG+70%)      


7080  The Young Bloods  (NYC DG 447Lam)
30,000円 (EX80%  VG+70%)   

7115  Phil & Quill  (NYC DG 447Lam)
28 ,000円  (EX80%  VG+70%)   





OTHER  PIANISTS





 
7043  Elmo Hope / Informal Jazz  (NYC Flat 446Lam)
88,000円 (EX80%  VG+70%)   

7070  Tadd Dameron / Mating Call  (NYC DG 447Lam)
55,000円  (EX80%  VG+70%)        






OTHER  TRUMPETERS





 
7106  Webster Young / For Lady  (NYC DG 447Lam)
62,000円 (EX80%  VG+75%)    

8225  Kenny Dorham / Quiet Kenny  (紫 太DG)
180,000円  (EX80%  VG+75%)         





OTHER  SAXOPHONISTS





 
7135  Hal McKusick / Triple Exposure   (NYC Flat Lam)
44,000円 (EX80%  VG+70%)    

8232  Jenkins, Jordan & Timmons  (紫 太DG)
38,000円  (EX80%  VG+70%)       


8246  Gigi Gryce / The Hap'nin's  (紫 太DG)
28,000円  (EX80%  VG+70%)      










7103  Paul Quinichette / On The Sunny Side  (NYC DG 447Lam)
26,000円 (EX80%  VG+70%)    

7318  Booker Eavin / The Song Book  (黄NJ DG)
28,000円  (EX80%  VG+70%)    


8226  Jerome Richardson / Roamin' with  (紫 太DG)
35,000円  (EX80%  VG+70%)     





OTHER  TROMBONISTS






7049  Bennie Green / Walking Down  (Lemon DG 447Lam)
28,000円 (EX80%  VG+70%)  

7107  Curtis Fuller / New Trombone   (NYC DG 447Lam)
55,000円  (EX80%  VG+70%)         




OTHER  NEW JAZZ  LP's 






8267  Roland Alexander / Pleasure Bent  (紫 DG tex-cvr)
42,000円 (EX80%  VG+70%)   

8269  Mal Waldron / The Quest  (紫 太DG tex-cvr)
26,000円  (EX80%  VG+70%)  


8274  Dizzy Reece / Asia Minor  (紫 DG tex-cvr)
38,000円  (EX80%  VG+70%)          





長々とお読みいただきありがとうございました。


※ 略号の意味
Lemon(レモンイエロー) Flat(フラットディスク)  447cvr(ジャケ裏住所447)  Lam(ラミネート・カバー)  tex-cvr(テクスチャー・カバー) 額(額縁ジャケット)  ニス(ニス加工ジャケット) 



ジャズの買取はぜひとも当店にお願いいたします。



ジャズの 人気盤は 市場価格の 65~85% で買取ます。
👉 【ブルーノート ジャズLP 買取価格リスト】 1500番台 編

👉 【 ブルーノート ジャズLP 買取価格リスト】 4000番台 編  


👉 【リバーサイド ジャズLP 買取価格リスト】 工事中
👉 【ジャズ レーベル別 買取価格リスト】 工事中





マイルス、ジミヘン、山下達郎、キンクス、和ジャズなどのLPを追加しました。

名古屋・愛知~レコード全ジャンル買取中 !
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👉【① 名古屋・愛知県の 無料出張買取】
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✼  ✼  ✼     25 th  June, 2019    ✼  ✼  ✼






 
各ジャンルのLP・CDを 60枚ほど追加しました。

 
追加品の一例です。
 
 
 




大瀧詠一 『ロング・バケイション』
(CBSソニー 27AH1234)
帯・歌詞付き 美品です。


山下達郎 『Melodies』
(ワーナーパイオニア MOON-28008)
帯・インナー付き 美品です。


チュ-インガム 『風と落葉と旅人と』
(CBSソニー SOLJ-40)
天使の歌声。この子たちはホントすごい。


Jimi Hendrix / Experience
(英 Ember オリジナル盤)


Lew Lewis / Save The Wail
(英 Stiff オリジナル盤)


Longbranch Pennywhistle / S/T
(米 Amos オリジナル盤)
グレン・フライ、JDサウザーの70年作。


Art Blakey / A Night At Birdland
(米 Blue Note Lex DG Flat オリジナル盤)
やや難ありのため格安。


Miles Davis / 'Round About Midnight
(米 Columbia 6EYE DG オリジナル盤)
マト1A/1A、盤質NM-


Miles Davis / Four And More
(米 Columbia 2EYE オリジナル盤)
盤質極上


和田直 『ブルース・ワールド』
(スリー・ブラインド・マイス HQ-180盤)
95年高音質限定プレス盤


中本マリ 『ザッツ・オールド・フィーリング』
(東芝EMI  ETP-80115)




そんな中で1枚。

Kinks / The Kink Kronikles

(米 Reprise 2XS6454)


Kinks の Chronicle すなわち年代記。

" C (Ch) " を "K" に変えちゃうのはいつものお約束。


ジャケットも好きで、私が高校生の時、これを北区にあったミュージックハウスさんでシールド新品で見つけた時は思わず 「ワッ」 と声が出た(記憶がある)1枚。


発売から5年も経っていて、まさかポツンと1枚エサ箱で私を待っていてくれたとは。



72年発売のUS編集コンピレーション盤ですのでパイ(Pye)時代の楽曲集となります。


キンクスはパイ時代にスタジオ・アルバムをUK盤ベースで 8枚出しているのですが、この2枚組コンピ盤には最初の3枚からは1曲も入っていません。すなわち 「You Really Got Me」 も 「Tired Of Waiting For You」 も 「Till The End Of The Day」 も入っていないわけです。



キンクスの最初の 3枚のアルバムは、イギリスでもアルバムチャートでベスト10以内とヒットはするのですが、数多あるビートグループの一つといった感じでした。


続く4作目以降は 『Face To Face』 が最高12位、『Somethin Else』 が35位、『Village Green』 が47位とキンクスがキンクスらしくなっていくにしたがって皮肉にもセールスは低下していきました。



このコンピ盤、さらに 7作目 『Arthur』、8作目 『Lola』 と、そんなキンクスが、みんなが好きなキンクスらしくなっていく時代を見事に切り取った稀有な存在です。



また、シングルのみで出ていてレギュラーアルバムでは聴けない 「Autumn Almanac」 や 「Dead End Street」、また 「This Is Where I Belong」、「She's Got Everything」 といった当時初発となった佳曲も含むキンクス・ファンなら、ああベスト盤ね、とスルーしてはいけない1枚だと思います。



♪ The Kinks / Autumn Almanac (1967年)




それでは、本日も皆様のご来店お待ちしております。


 
【 本日のその他の追加盤 】
以下の各コーナーにも追加しました !!!
 
 [ ジャズ 50・60年代プレス LP ]
 [ ジャズ 欧州プレス  LP ]
 [ ロック US・UK盤 LP  
 [ ロック 国内盤 LP

 [各ジャンル シングル盤]
 [ 各ジャンル CD ]



 

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おかげさまで今日現在、部門 第 1位 です。

 


 

オリジナル盤 判定・見分け方 「プレスティッジ Prestige」 編


プレスティッジ    &    NEW JAZZ
    オリジナル盤 判定・判別 について 
 

  Copyright  Radio Days Records 2017, All rights reserved.
(転載禁止 リンクはフリーにどうぞ)
 
 

 
   ジャズの レコード お売りください。
 
  人気盤は 市場価格の 60~85% で買取ります。
 

 

2021.4.1 情報更新:
PRLP7076 のMiles davis  / Walkin はフラットディスクが存在します。

2020.7.19 情報更新: 
PRLP7255 のSTAN GETZ / EARLY STAN は片ミゾが存在します。

2020.5.22 情報更新
PRLP7005 の MJQ / CONCORD はフラット盤が存在します。(ただし、確認個体はAB入り、横向きABC入りなので後発盤と考えます。)





今回は、
 

 『 PRESTIGE & NEW JAZZ 』  のオリジナル盤判定・見分け方


についてです。

 




( プレスティッジ系の 人気トップ3 ? )



プレスティッジ Prestige のオリジナル盤について考えるときに念頭に置かなければならないのが、プロデューサ ボブ・ワインストック Bob Weinstock の制作姿勢だと思います。
 
 

ブルーノートの アルフレッド・ライオン Alfred Lion は、本番録音の前に2日間のリハーサルを設けて自分の納得のいく演奏を求めて時間をかけて1枚のアルバムを制作しました。

 
対して、ワインストックはとにかくぶっつけ本番で録れるだけ録ってどんどん世に出す、というスタイルでした。

 

このため、プレスティッジのアルバム制作のペースは非常に速く、短期間に多数のアルバムが発売されています。


 
例えば、1956年1年間には 7010番台から7070番台の 64枚発売(録音ではない)されています。  ( = Schwann カタログ等による)

一方、ブルーノートは同じ56年1年間に 29枚です。

 

おそらくプレスティッジの12インチLP時代初期 (特に7001~7050番) は製造現場は相当慌しかったと想像できます。
 

一作毎に異なるプレス会社やジャケット製造会社に発注されたり、場合によっては一つの作品が複数の製造会社にで作られた、ということも考えられます。


 
このような事情からか、プレスティッジのオリジナル盤判定では、何が初回仕様だったのかが判然としない部分もあって 私たちを大いに悩ますことになっています。





 
( プレスティッジ系の 『裏』 人気盤 ? )

 
 

タイトル毎に複数ある初期盤バリエーションを示していますが、どれが本当の初回仕様だったのかは断定するものではなく、あくまで一つの考え方として書いてみました。


また、フラット・ディスクや DG有りの番号リストは、私が現時点で確認できているものを示したに過ぎず、それが全てという意味ではありません。



【参考】
👉 当ブログ 『ブルーノート オリジナル盤 判定判別ガイド』



 
*  *  *  *  *


 
プレスティッジのオリジナル盤ガイドとして、現在、もっとも詳しく情報量も多いのが London Jazz Collector さんのサイト( 👉 London Jazz Collector > Prestige Label Guide ) です。


 
しかしながら、サイト内でも書かれている通り、基本的にネット上で拾い集めた画像を基にしているとのことで、レーベル表記事項、ジャケット表記事項については情報もある程度正確ですが、写真でわかりにくいフラット・ディスクやジャケット表面加工についての情報に乏しく、レモンイエロー・ラベルについてのデータも中途半端です。


 

当記事では、なるべく詳細かつ正確になるように、


(1) 対象を イエローラベル時代 (7001~7330番前後)、および傍系レーベルの中でも人気の高いNEW JAZZ の 8200番台  のいずれも モノラル盤 とする

(2) 何が初回仕様であったか判然としないものは、そのことを明示し、または両論併記とする
 

こととします。

 
*  *  *  *  *



 

プレスティッジおよびNEW JAZZ のオリジナル盤の 「判定要素」  としては以下のものがあげられます。


通常、これらの判定要素の全てが初回発売時の仕様のものを 「オリジナル盤」 と言います。

(判定要素のいくつかを満たせば、他の要素を逐一チェックしなくても判定できるタイトルも多くあります。)



 
Ⅰ 【盤に関するもの】

 
・ レーベル情報 (色、住所表記、「HI FI」等の3時方向表記)
・ エッジ形状 (フラットエッジかグルーヴ・ガード有りか)
・ 「耳マーク」 または 「AB」表記 の有無
・ 溝(Deep Groove, DG) の有無、およびその幅
・ 「RVG / VAN GELDER 刻印」 の有無、および種類
・ 横向きA/B/C刻印
・ 書体(フォント)違い、曲名等の誤表記


 

Ⅱ 【ジャケットに関するもの】


・ 表面加工 (額縁ジャケット、ニス加工、ラミネート加工)
・ 裏面住所
・ スパイン(背)形状、および背文字の有無
・ 裏面 「GEM Albums Inc」 表記の有無
・ NEW JAZZ盤の裏面の「$3.98」表記
・ 色違い、誤表記、書体違い等




※ プレスティッジ では、既発アルバムが後年、レコード番号・タイトル・ジャケット 等を変えて再発されることが多数例あります。 この場合、初発時に製作されて保管されてきたメタル・マザーで起こしたスタンパーでのプレスなら、当然に「手書きRVG」「手書きAB」 などの初発時の盤の特徴が現れます。当記事ではこれら 「別番号再発」 は全て省いて書かれています。






*  *  *  *  *


 
それでは、まずは判定要素を  【盤に関するもの】  から見ていきましょう。



Ⅰ -盤に関する判定要素



 

  レーベルの変遷      


レーベルの判定要素は 「」、「住所表記」と 3時方向に記載された「HI FI 等」の表記です。

「色」と「住所」をベースに進めます。




① レモン NYC 







「 446 W 50th St., N.Y.C. 」 と住所表記されています。


色は明るい黄色、普通 「 レモン・イエロー 」 と言われます。

以下、 「レモンNYC」 と呼びます。



7001~7040番 のほとんど、および 7040~7050番 の間の数枚で確認できます。
 
 

「レモンNYC」レーベルの存在が確認できたタイトルは以下の番号です。

 7001~7037 (7026, 7030, 7034, 7036を除く)
 および 7044, 7046, 7048, 7049, 7050

※ 7026, 7030番は、ともに「山吹・フラット・耳マークあり」 が初回と思われます。 

※7050番以降でも黄色が薄くレモンイエローと言えそうなものも多く見てまいりましたが、色褪せ、インク配合不調などの個体差等によるもので レギュラーな意味でのレモンイエローではないと考えます。



 
② 山吹 NYC  






住所は①と同じく 「 446 W 50th St., N.Y.C. 」 という表記です。

色はやや赤みがかった黄色、普通 「 山吹色 」 と言われます。


英語では、「Yellow ocher」 (黄土色) とか 「Egg-yolk」(卵黄) とか言われるようですが、ここは日本語の色彩表現の豊かさ・美しさから 「山吹色」で良いと思います。


以下、 「山吹NYC」 と呼びます。

また、「レモンNYC」と「山吹NYC」を区別せず 「黄NYC」 (イエロー・ニューヨーク) ということも多いです。



 
山吹NYCレーベルの存在が確認できるタイトルは以下の番号です。

7001~7141




つまり、「レモンNYC」が存在するタイトルも全て「山吹NYC」も存在するということです。


一般的には 「レモンNYC」が「山吹NYC」に先行して現れるとされます。


ただし、次項「エッジ形状」で述べますが、タイトルによっては「山吹NYC」を(も?) 初回仕様とする立場もあります。




【 NYCレーベルの 「3時方向表記」 について】


レモン・山吹を問わず、「黄NYC」レーベルの 「3時方向 」には異なるタイプの表記が見られます。

やや細かくなりますが、これらは 「非オリジナル」の見極めに有効 なので触れておきます。





(A) 「HI FI」 表記

基本的に 7118番まで (7114,7116 および下記(B)(C)を除く) の3時方向には 「HI FI」 という表記があります。

この部分が 「High Fidelity」、「HIGH FIDELITY」、「HI FIDELITY」 となっているものは 2ndレーベル以降となります。


( 7114,7116 は「High Fidelity」で初回。 7119番以降の黄NYC および 黄NJラベルでは別番号再発を除き 「HI FI」はなくなり、「High Fidelity」、「HIGH FIDELITY」、「HI FIDELITY」のいずれかが脈略無くバラバラに現れます。 )





(B) 「Remastered by Van Gelder」 表記



ただし、7002,7004,7006,7008,7009,7012,7016,7022~7026,7028,7029,7031番の 15タイトル (=主として10インチ既発音源盤)には、「HI FI」ではなく 「Remastered by Van Gelder」 と表記されています。

(7002,7004,7008,7012,7016 にはNYCでHI FI表記盤(山吹)も存在するがRVGが刻印であったり2ndジャケットの場合が多く後発。7009にはNYCでHI FIDLITY表記盤も存在するがおそらく後発。他にもバリエーションが複数存在するが 「REMASTERED BY...」が初発。)




(C) 「NON-BREAKABLE 表記




さらに、山吹ラベルの 7001,7003,7007番の3枚は「HI FI」ではなく 「NON-BREAKABLE  HIGH FIDELITY」 となっています。

そしてこの3枚の送り溝部には、「耳マーク+7E」 と入っています。 いずれも後述する Plastylite社によるプレスと思われます。

(3枚ともレモンイエロー・ラベルでHI FI表記盤も存在。 HI FI表記盤は耳マークや7Eは無い。)

※ 以上 のほか3時方向には 「LONG PLAYING MICROGROOVE」 と表記されているタイトルもあります。(7200番台)



 


③ 黄 NJ  





「 203 South Washington Ave., Bergenfield, NJ 」 という住所表記になります。

色は「山吹色」です。

以下、「黄NJ」 と呼びます。



1958年8月、プレスティッジ社はNYマンハッタンを離れ、お隣 ニュージャージー(NJ)州の Bergenfield市に移転します。州は違えどマンハッタンとはハドソン川を挟んだ対岸の市です。

 
最初の黄NJラベルは、7142番と7144番で 58年11月の発売でした。(7143番は12月発売)
 

初回盤がこのラベルなのは以下の番号です。

7142~7332
ただし、7310,7315,7324,7326,7328,7331 の6枚を除く。
除外された6枚は、7310,7315,7324,7326,7331は「金」、7328は「紺(右紺)」です。





④ 金  ⑤ 紺(右紺) ⑥ 紺(マル紺)  ⑦ 紫   


当ページで取り扱うのは「黄NJ」ラベル(7330番辺り)までですが、参考のためそれ以後しばらくの4種のレーベルについて触れておきます。



(左: ④ 金   右: ⑤ 右紺)
 
 
 
 
(左: ⑥ マル紺  右: ⑦ 紫)



④ 金色
7300番台前半に一時的に現れます。
(7310,7315,7324,7326,7331,7333の初回盤)
 

⑤ 紺色・右トライデント・ロゴ (右ロゴ紺)
7328番が最初で、7334番から恒常化し7549番まで続きます。
 

⑥ 紺色・上トライデント・ロゴ (マル紺、上マル、上ロゴ紺)
7550番から恒常化します。 このラベルは全てステレオ盤となります。
ただし、7100番以前の再発盤でこのラベル(=STEREOと表記されている)でも盤はモノラルのケースもあります。
 

⑦ 紫色
7814番から現れます。 (ただしマル紺も混在。)



その後、プレスティッジ社は1971年に西海岸のFantasy社に買収され、PRLPシリーズの最後の5枚(7858~7862)は薄緑色(草色)となり、ついにレーベル住所もNJではなく 「BERKELEY, CALIFORNIA」 となってしまいます。



 

⑧ NEW JAZZ 紫   





プレスティッジにいくつかある傍系レーベル中、もっとも人気が高いのが 「 NEW JAZZ8200番台 シリーズでしょう。

 

元々 「NEW JAZZ」 はSP時代に 約60タイトル、10インチ時代に 6タイトル(NJLP1101~1106) 出ていたPrestigeに先行するレーベル名です。 ("傍系" という以上の長い付き合い。むしろPrestige がNEW JAZZ の弟分とも言える。)

 
 
レーベルは写真の 「紫」 です。


ただし、以下の 初期 7タイトルは③の「黄NJ」です。

8201~8206, 8209

上記以外の8200番台は全て「紫」でオリジナルです。

 


NEW JAZZ の初回発売分は4タイトル(8201~8204番)で 1958年11月です。
 
上述のように、同じ58年11月には、PRLPシリーズ最初の「NJ」レーベルとなる 7142番 『John Coltrane / Soultrane』  (と7144番)も発売されています。

 

ニュージャージー(NJ)に移って新しいスタートを切るのに合わせて、"もう一つのNJ" としてSP時代・10インチ時代の 「NEW JAZZ」の名を再スタートさせたわけです。


ですので当然 NEW JAZZのレーベルおよびジャケ裏アドレスはNYはなく全部ニュージャージー(NJ)です。




録音年月日はいろいろな本にも書いてありますが、 レコードのオリジナル盤の 製造(プレス)時期 を知るのには、「録音年月日」ではなく 「発売年月」 がとても有効だと思います。


録音されても(さらにメタルマザーまで作られても)  しばらく発売を見送られることはよくあることですが、製造(プレス)されたレコードは在庫管理コストの理由から期間を置かずに発売されたでしょう。

つまり発売年月の少し前が製造時期と言えるわけです。

50年代・60年代のレコードの発売年月を知るためのほぼ唯一の資料となるのは月刊の 『Schwannのカタログ』 です。ある時期のSchwannのカタログには初回発売から2年ほどの間はタイトルごとに「発売年月」が付記されていました。
 




エッジ形状   


フラットエッジ (Flat edge)、グルーヴガードあり(Beaded edge)があります。

 
 
A フラット・エッジ  (Flat edge)




エッジ部は真っ平なタイプです。
 

 
フラットエッジ盤の存在が確認できるタイトルは以下の通りです。

ブルーノートのように何番から何番までと連続して存在するわけではなく、飛び飛びだと思われます。

 
7001, 7003, 7004, 7005, 7007,  7008
7012, 7014
7020, 7024, 7026
7030, 7031, 7034, 7037, 7038
7041, 7043, 7044, 7046, 7047, 7048  (7042? 7045?)
7050, 7051, 7052, 7053, 7054, 7058
7064, 7065, 7068
7075, 7076, 7078, 7079
7081, 7082, 7083
7092, 7094, 7095, 7096
7101, 7102, 7105, 7109
7110, 7111, 7112, 7113, 7114, 7119
7120, 7125, 7126 (7129?)
7131, 7135, 7142

※ フラットエッジ盤にもかかわらず 他の判定要素に後発盤の特徴が現れるケース(手書きであるべきRVGが刻印であるもの、7030番以前にも関わらず後述のABや横向きABCがあるもの等)も含んでいます。

※ ? 付きは私自身確認できていないものです。


 

B グルーヴ・ガードあり (Beaded edge)



 
エッジ部が少し盛り上がっているタイプです。
(正確には、音溝部を凹ませてある。)


テーブルなどに直置きした際の音溝部分の保護、針先の音溝への誘導等、ユーザー側の利便性に秀で、 今日のほとんど全てのLPレコードはこのタイプです。



上記フラットディスクが存在するタイトルも全て、こちらのグループカード盤 (以下 GG盤) も存在します。
 
 
一般的にレコードの世界で、同一タイトルでフラットエッジ盤とGG盤が両方存在する場合、フラットエッジ盤が初回仕様だとされます。


 
ただし、プレスティッジの7000番台の初めの方は、

(1) 「レモンNYC」 でフラット盤が確認できず
(2) 「山吹NYC」 でフラット盤が存在する

というタイトルがいくつも存在します。


もちろん、
(3) 「レモンNYC」 でフラット盤が存在する タイトルも少ないですがあります。




問題は(1)・(2)のいずれがオリジナルかということです。
 

 

(1)をオリジナルとみなす根拠 として、レモンイエローは7050番でキッパリ終わります。

しかし、フラット盤は最初の50枚を過ぎてもさらにダラダラ飛び飛びに現れます。
 

7001~7050で 21タイトル (42%)
7051~7100で 17タイトル (34%)
7101~7142で 16タイトル (38%)
にフラット盤確認。(?を除く)

 
最初の50枚にやや多めに現れるかな、という程度です。

 

ブルーノートではフラット盤は最初の50枚ぐらい(1501~1550番台)でキッパリ終わりなのに対し、プレスティッジはフラット盤であることが必ずしも初期仕様の証しとはならないと思われます。



ブルーノート最終のフラット盤は1557番で 57年7月発売なのに対し、プレスティッジ最終のフラット盤は7142番で 58年11月発売です。


利便性に秀でる "新方式" =GG盤が急速に普及する中で、こんなに遅くまで旧式のフラット盤プレス機でのプレスをしていたジャズ・レーベルはプレスティッジだけです。


旧式でコストも抑えられたとすれば、むしろ7050番台以降でフラットとGG盤の両方が存在するタイトルは、フラット盤は初回発売分ではなく リプレス分だという考えすら成り立ちます。

 



いま一つ、事例をあげて私なりの見解を付け加えます。


7035番 『J. McLean / Lights Out』 は、NYCレーベルでも「手書きRVG」盤と「刻印RVG」盤の両方をよく見ます。

このタイトルの初回発売は56年4月。 後述しますが刻印盤が現れるのは57年7月発売分以降です。

このタイトルの 「手書きRVG」盤にはフラット盤は確認できませんが、「刻印RVG」盤にはフラット盤が結構な割合で存在します。

後発のはずの刻印盤のみにフラット盤が存在するということから、必ずしもフラット盤は初期仕様の証しとは言えないという一例です。 (このような例は他にも多数あり。)


 

一方、(2)をオリジナルとする立場 の方は、ブルーノートの場合のフラットディスクの初回性を重んじているようです。
 

また、耳マーク入り盤が存在するタイトルの多く(7003,7007,7026,7030など)は、(2)にのみ耳ありが存在し、(1)には耳ありは確認できません。
 

Plastylite社は10インチ時代から引き続きプレスを受注していたでしょうから、7003, 7007 などは(2)も (あるいは(2)が) 初回仕様であった可能性は高いと思われます。


当ページの冒頭に書いたように一つのプレス会社では手一杯だったか、12インチLPを新たに製造販売するにあたって、品質、コスト、契約条件などを比較するため、初発分から複数のプレス会社に製造を依頼していた可能性もあるでしょう。




また、(3) 「レモンでフラット」 は文句なく初回のような感じがしますが、実際には 「レモンでフラット」 でも 「刻印RVG」 が存在したりします。
 
(3)「レモンでフラット」 が確認できたタイトルは以下の番号です。 これはそんなに多くはないと思います。 むしろフラットとレモンの両立はレアケースで、フラットは山吹との組み合わせが標準だと思われます。
 

7001, 7004, 7020, 7031, 7046, 7048



多くの中古レコード店では (1)(2)(3) ともに、特に区別なく ざっくりと「オリジナル」と表記しているようです。 若干違和感を覚えるものがありますが、売る側としては「幅広くオリジナルとみなしたい」 という気持ちが働くのでしょう。


ただその一方で、買取のときは 「フラットじゃないから・・・」 などと査定を下げられるということがないよう正しい情報の共有が進むとよいと思います。
 




耳マーク  or  AB表記  



送り溝部分に、ブルーノート編でも述べた「耳マーク」、または手書きの「AB」表記が見られるタイトルがあります。


これらは、いずれもレコード盤製造の最終工程である プレス を担当した会社の目印です。



(A) 耳マーク  (Ear mark)  



( 左: 「耳マーク」   右: 「7E」 )



「耳マーク」(盤面上 凸) はレコード・プレス会社 「Plastylite社」 の頭文字「P」のマークです。


プレスティッジの10インチ盤には「耳マーク」が見られるタイトルも多く、12インチでも引き続き同社にプレスが依頼されました。

 

「耳マーク」のある盤には「7E」という文字(ただし凹)も刻まれています。
 

また、「耳マーク」が無く 「7E」だけが刻まれた盤も存在しますが、この場合も レーベル 9時方向に 「 Custom molded by Plastylite 」 と表記されており (7026, 7030, 7041, 7042, 7050番)、これらも Plastylite社によるプレス盤だと考えられます。
 
 



 
「耳マーク」、「7E」の存在が確認できるタイトルの番号は以下の通りです。

 ① 「耳マーク+7E」 = 7001, 7003, 7007, 7026, 7030, 7041, 7042
       (①の中には「7E」だけの盤も見られる)
 ② 「耳マーク」のみ = 7050 
 ③ 「7E」 のみ = 7008, 7009 
 


 
(B) 手書き AB  (Etched AB)  



( 左: 「AB」    右: 「8J」 )
 

プレスティッジ社は、他にNJ州 Newarkにあった 「Abbey Manufacturing 社」にもプレスさせており、その場合に送り溝部には 「AB」 と刻まれています。

盤面上は耳マークと違い「凹」です。また、拡大すると粘土板に刻まれたような「トメの痕」が見られるのでラッカーマスターの段階で刻まれたものです。

すなわち、プレスティッジ社はカッティングの段階でこの作品はAbbey社にプレスさせると決めていたことになります。



また、AB とともに 「8J」(凹) とも刻まれているものがあり、「8J」のみが刻まれた盤も Abbey社によるプレスだとも推察できます。


パターンとしては、

(1) 「AB」のみ
(2) 「AB + 8J」
(3) 「8J」のみ

という3種類となります。

 
London Jazz Collector さんのサイトでは、たとえば7035番は「8Jのみ」というように、各タイトルごとにオリジナル盤はこの3パターンのいずれかであるかのように書かれていますが、実際は7035番にも「ABのみ」も存在するなど、タイトルによって(1)(2)(3)複数のパターンが存在していて、いずれが初回仕様かは特定できないと考えます。


 

また、「AB」 は刻まれている位置が結構いい加減で、下の写真のようにレーベルの下に隠れてしまっているケースも多いです。




左: 半分だけ見えているケース(7082 Mobley's 2nd Message, Side-1 )

右: 完全にレーベルの下に隠れているが、圧着されたレーベルの下にうっすらと「AB」と浮かび上がっているケース ( 7080 The Young Bloods, Side-2 )



 
以上のように、「AB (あるいは 8J)」 についてはまだまだ精査が必要ですが、あくまでも目安として、(1)(2)(3)のいずれかの盤がオリジナル盤と思われるタイトルの番号は以下の通りとしておきます。



7031番 ~7150番台 = 上述 「耳・7E」盤 を除くほとんどに(1)(2)(3)のいずれかが存在。

7150番台~7230番台 = 大半にごくうすい「AB」 が存在。

7150番以降の時期は、ABは、ラッカー段階ではなく、金属板であるメタルマザー段階で刻まれたということです。



7150番以降は字体も弱々しいものになる。
 

※ 完全にレーベルの下に隠れているものも認識できれたものは 「ABあり」 とみなしています。



なお、7030番以前の番号でも 「AB」入り盤は存在しますが、それらはおそらく後発盤だと考えます。

理由としては、7030番以前の「レモンNYC盤」にはAB入りは確認できず、AB入りが確認できるのは 「山吹NYC盤」、「黄NJラベル再発盤」、「刻印RVG盤」 等だからです。






【 「AB」 が他国プレス盤に現れる例 】

プレスティッジ音源は50・60年代に、仏Prestige、仏Barclay、英Esquire、蘭Prestige、伊Music などの欧州レーベルによるプレス盤も発売されました。

メタルマザーが輸出(または貸与)されてプレスされたケースも多くあり、それらの欧州盤は当然に手書きか刻印の 「RVG」 が入っています。


ただ、一部の作品には 「RVG」 のみならず 「AB」 も刻まれたものが見られます。

「AB」は原則、米Abbey社がプレスした盤なので、なぜこのような欧州プレス盤が見られるのか詳細は不明です。

考えられるのは、これらはプレスティッジ社がAbbey社用に製作したメタルマザー(AB入り) が、Abbey社での初回生産分のプレスが終了した後に欧州レーベルに輸出(または貸与)されて他国でプレスされたということです。




 
 『Sonny Rollins / Plus 4』(7038番)の 仏Barclay盤 (ethed RVG & AB)
一番右は 7038番 米オリジナル盤の「AB」部分 (筆跡は一致)
 

 

※ Abbey社は手広く各レーベルのプレスを担当しており、ジャズでは Riverside や UA の一部のタイトル、ロックの名盤 Capitol の 『Meet The Beatles』 や 『Pet Sounds』 、Elektra の 『The Doors』 はじめ数多くの盤で 「AB」刻印盤は見られます。




 

 ミゾ (Deep Groove,  DG)     



レーベルの外縁の1.5cmぐらい内側に同心円状の「ミゾ」があります。

上述のレーベル種類の①~⑤ および⑧に現れます。


( 左: 7117番 太いミゾ  右: 7301番 細いミゾ )


画面左側のような 「太いミゾ」(wide groove) と右側のような 「細いミゾ」(narrow groove)の双方が見られるタイトルがあります。
 

一般にプレス機の違いによるものと言われていますが、後年のプレスになるほどミゾの幅は細くなる傾向が認められるため、同一タイトルで両方存在するものは、太いミゾが初回と考えられます。 


また、細いミゾの盤には、いわゆる 「カゼひき盤」( hissy vinyl, バックにシャーという ヒス・ノイズが聞こえる盤) がしばしば見られるので注意が必要です。




PRLPシリーズでは、7001~7244番 までは両ミゾあり盤が存在します。
 


問題はその後です。
 

7245番からの7256番までは12枚連続で別番号再発になり、これを境に7257番以降は途端にミゾありの出現率が下がるようです。

7001~7244 

以下、確認できたものを列記します。(  )付は片ミゾです。

7250番台 =  7250  7252  (7255)  7257  (7258)   7259
7260番台 =  (7260)  (7263)   7264  7267  7268
7270番台 =  7270  (7273)   7274   (7277)   7278
7280番台 =  7280   7281   7282   (7283)  (7284)  (7285)   7288  7289
7290番台 =  7291   (7292)   7293   7294   (7295)   (7296)
7300以降 =  7301   7302   7305  7318   7321   7325 

(これでほぼ網羅していると思います。もし漏れがあったらお知らせください。)



※ 当記事は黄ラベル・モノラル盤を対象としているため以上ですが、紺ラベルでも 稀にDGありが存在します。
 
 
(7334番 片面DGの例)
 





続いて NEW JAZZ盤 のミゾについてです。

 
NEW JAZZ 8200シリーズでは8201~8270番までは両面ミゾあり盤が存在します。


8201~8270

以下、確認できたものを列記します。(  )付は片ミゾです。
8270番台 =  (8271)   8272~8275   (8276)   8279
8280番台 =  (8281)   8282   (8284)   (8286)   (8287)  
8290番台 =  8290   (8291)


NEW JAZZ の8271番以降はミゾの有無に関わらず、また8270番以前のミゾなし盤(2nd プレス)はカゼひき盤に特に注意が必要です。


これらの盤は、むしろ「紺ラベル」になってからの再発の方がカゼひきもなくなり音質的にもお値段的にもおすすめできます。



 

RVG刻印 / VAN GELDER刻印   


ブルーノートと同様に、ルディ・ヴァン・ゲルダーがカッティングを担当した盤には、送り溝部に次のいずれかが刻まれています。



(A) 「手書き RVG」  (hand etched RVG)





最も初期の作品のオリジナル盤は、ヴァン・ゲルダーの 「手書き」 のサインが入っています。


 7001~7090  

(※ 別番号再発では 7100 ・7200番台でも手書きRVGは20タイトルほどで見られます。 保管メタルマザーから起こしたスタンパーによるプレスのためです。)



 
上記番号でも、NYCラベルで次の B「RVG刻印」 になっている盤も存在します。ヴァン・ゲルダーによって57年~62年の間にカッティングしなおされたもので2ndプレスです。

初回盤発売から間もないため保管用メタルマザーが損耗・逸失したという理由は考えにくく、ヴァン・ゲルダー氏が望んでリカッティングしたのではないかと考えます。

2ndプレスと軽視せず、機会があればその音の違いを楽しむことをお勧めいたします。
 


 

(B) 「RVG刻印」 (stamped RVG)




 
 7091~7232  ( 7100, 7214, 7223, 7229~7231を除く  ) 
 ※ 7100番はRVGもVAN GELDERも無い。

 
 
1957年のおそらく6~7月頃にヴァン・ゲルダーさんは、「RVG」というイニシャルの 「打刻印」 を作って、それまでの手書きのサインに代えてそれを使い始めます。


プレスティッジ、ブルーノート、サヴォイなど57年7月以前発売されたタイトルには「RVG刻印」盤は見られません。


(なお、57年7月以降発売されたタイトルにも「手書きRVG」はあります。ブルーノートの場合もそうですが、それらはカッティング~メタルマザー製作まで済まされていた音源が遅れて発売されたものと考えられます。)

  
 
 

(C) 「VAN GELDER刻印」 (stamped VAN GELDER)





打刻印の文字が「VAN GELDER」となりました。
 

 7214, 7223, 7229~7231, 7233~

※ 7233番以降でも別番号再発には手書きRVG、刻印RVGは存在。 (保管していたメタルマザーから起こしたスタンパーでプレスしたため。)

 

ヴァン・ゲルダーさんが「VAN GELDER」という打刻印を作ったのは 1962年4~5月頃だと考えられます。 (各レーベルとも 62年5月以前に発売されたタイトルに 「VAN GELDER」刻印は見られません。)


 


横向きA/B/C刻印   


プレスティッジ盤の送り溝部にはもう一つ見逃せない情報が記されています。





多くは 「RVG」の傍らに、RVGとは90度横に倒した「A/B/C・・・」などの文字が刻まれた盤を多数見かけます。(特に7030番台あたりから7140番あたりまで。)


同一タイトルで盤に関する判定要素が全て同一であっても、横向きABCの記号だけが異なる刻印の盤が多数存在します。

AB面ともAとか、A面がCでB面がAなどと、同一タイトルでも盤によってさまざまな組み合わせで出現します。

マイルスなどビッグネームのアルバムなどでは、時にEやFまで見られます。



これらは盤面で「凸」に現れています。

「凸」で現れるものは、レコードの製造工程中のメタルマスターかスタンパーの段階で刻まれたものです。

 
黄色ラベル・初回盤で横向きABCが入っていたものが、紺ラベル再発盤で手書きマトリクスの筆跡が初回盤と一致していても横向きABCが入っていないものが多くあります。

 したがってメタルマスターの段階で刻印されたものではなく、初発プレス時にスタンパーの段階で刻まれたもの、すなわちスタンパー記号だと思われます。


 
であればBよりはAが初回性がより高いことになります。


実際に、初回NYCラベルでAやBが多く見られるタイトルのNJラベル再発盤ではDやEと進んでいるのが一般的です。


この横向きABCの精査を進めれば、前述した「レモン or 山吹」、「フラット or GG」の初回性解明が進むのかもしれません。

 



※ 以上の他、プレスティッジ盤の送り溝部には「一桁の数字(1、2など)」、「横向きではないアルファベット1文字(A、Bなど)」、「意味不明の図柄」などが刻まれているものがありますが、これらについてはまだ知見不足のため今回は割愛いたします。


 


誤表記等   


初発時のレーベル記載事項に曲名等の誤表記があるものがいくつかあります。



7094番 『Miles Davis / Cookin'』
B-2のメドレー後半曲名が最初期ラベルは「Just Squeeze Me」と誤記、すぐに「When Lights Are Low」と訂正される。



ただ、この 『Cookin'』以外はいずれのケースも、盤に関する他の判定要素を満たしている初回盤は全て誤表記となっているようですのでオリジナル盤判定には関係ないかもしれません。




7114番 『Miles Davis / The New Miles Davis Quintet』
本来「QUINTET」なのだが、レーベルでは「QUARTET」と誤記。ただこれはNJラベル時代でも訂正されないまま。すなわちオリジナル判定上は問題なし。 



 

*  *  *  *  *




続いて 【ジャケットに関するもの】 です。 

Ⅱ  - ジャケットに関する判定要素



ジャケットの判定要素も多岐にわたります。

さまざまな特徴を出現の早い順に見ていくのがわかりやすいと思います。




 額縁ジャケット および ニス加工



最初期、7001~7053番にだけに現れる特徴
 「(A) 額縁ジャケット」
 「(B) ニス加工」 です。



タイトル個々に、

「額縁のみ」 と 「ニスのみ」 の両方が存在するもの
「額縁のみ」 、 「ニスのみ」 の一方だけが存在するもの
「額縁 かつ ニス」 (以下 「ニス額」 ) が存在するもの

とあり、いかにも製造工場が複数であったという匂いがします。





(A) 「額縁ジャケット」 (Frame cover)





ブルーノート編でも説明しましたが、ブルーノートでは上辺と左辺のみに額縁のような段差が現れますが、プレスティッジは上・左・下の3辺に段差があるものも存在します。



「額縁ジャケット」 が確認できるタイトルは以下の番号です。

7001 ~ 7035 (7002, 7004, 7006 を除く)
 および 7037, 7038, 7041, 7050 ~ 7053


 


(B) 「ニス加工」 (Vanish coat)





「ニス加工」は、印刷会社に長年お勤めの方にうかがうと、印刷物のツヤ出し仕上げとしてはやや古い加工方法で、ラミネート加工(PP加工)が登場すると一般的ではなくなるそうです。

ただ、現在でも印刷業界では「ニス引き」などとも言って一定の効果を狙って使われるとのことです。

 

 「ニス加工」 が確認できるタイトルは以下の番号です。

7001 ~ 7035  (7008, 7028, 7034 を除く)
 および 7037, 7038, 7041, 7050 ~ 7053

 


また、 ニス額 の確認できたタイトルの番号は以下の通りです。

 
7005, 7007, 7009
7011~7031 (7016,7019,7023,7027,7028,7030を除く)
7037, 7050 ~7053

 

 
さてここで、

(A)「額縁のみ」 、(B)「ニスのみ」  の両方が存在するタイトルではどちらが初回仕様か という問題が出てきます。 30数タイトルもが該当します。


 
これについては盤の場合と違って、上掲のように (A)(B)ともに出現時期が 7001~7053 の間のみと全く重なっていて、どちらかが先に現れたり、どちらかが後年までダラダラ続くということもなく、 根拠となる材料が乏しく 「判然としない」 といったところです。
 

実際の市場では (A)(B)、およびニス額の3タイプがいずれもオリジナルと表記されているようです。

 

私見では、7053番以前の初回仕様は、次項で述べるラミネート加工が初回のものを除けば、原則的には額縁が必須条件だと思います。(すなわち(A)かニス額が初回。(B)は後発。)


論拠としては、

・7008番~7036番(=最初のラミネート加工) は例外なく額縁が確認できる。

・カラーバリエーションがある7020番や7025番は、初回カラー版は額縁である。


 
エラー・ジャケットがある7024番や7029番は、エラーは(A)のみで見られ、訂正版になるとニス加工も現れる



例外として(B) が初回と思われるものは、

・ 7002,7004,7006番などは (B) しか確認できないので(B)が初回

・ 7003番は (B) の場合は紫文字ジャケ、 (A) の場合は白文字ジャケが多く、紫文字ジャケは最初期のみの仕様だが、白文字ジャケは後年発まで続くので(B)が初回。


・ 7010番は (B) は「グレー地」ジャケ、 (A) は「水色地」ジャケで、グレー地は最初期のみの仕様だが、水色地は後年発まで続くので(B)が初回。

 



 
 ラミネート加工   


ニス加工に代わってツヤ出し仕上げに登場するのが 「ラミネート加工」 (Laminated cover) です。 PP加工とも言いい、ポリプロピレンの薄いフィルムを圧着させたものです。





 
 ラミネート・ジャケが初回仕様と思われるタイトルは、以下の番号です。
 
 7036, 7039, 7040, 7042 ~ 7049
 および 7054番以降 
 

ラミネート加工は仕上げも美しくかっこいいのですが、プレスティッジの場合はこれら以前の番号でラミネートだと2ndカバーになるので注意が必要です。

ブルーノートでは 「ラミネートだから2nd」 ということはありませんが。。。




裏面住所  


 
ほとんどのタイトルには初発仕様ではジャケット裏の下部に住所表記があります。



① 446 NY  



最初は「446 West 50th Street, New York 19, N.Y.」

 7001~7054 (7044, 7046~7049を除く)




② 447 NY  



続いて「447 West 50th Street, New York 19, N.Y.」となります。

「447」アドレス期でも 7107番からは住所表記が主として右下部に小さくなります。(7115を除く。)


 7044, 7046~7049, 7055~7132, 7136~7141 
(7133~7135はジャケット裏に住所表記なし。)




③  NJ  



ニュージャージーに移ってからは「203 SO. WASHINGTON AVE., BERGENFIELD, N.J. となります。


レーベルが「NJ」になるのとジャケ裏が「NJ」になる番号は一致しています。

 
 7142~

 

 
「446」 から 「447」 に変わる境目前後は、前項「ラミネート加工」が始まる頃でもあり、組み合わせが複雑ですのでタイトルごとに一覧にします。(太字がラミネート加工)

 
7043 = 446
7044 = 447(446 ?)
7045 = 446
7046 = 447
7047 = 447
7048 = 447
7049 = 447
7050 = 446
7051 = 446
7052 = 446
7053 = 446
7054 = 446
7055 = 447

 




【 ジャケット裏住所の抹消について】


ブルーノートの場合、例えばジャケ裏Lexingtonで初発されたタイトルが、47w63rd 時代 や 43w61st 時代 に再発されると、ジャケ裏住所もそれぞれちゃんと 「47w63rd」 「43w61st」 に書き換えられます。


ところがプレスティッジの場合、NYC(446・447)アドレスで初発されたタイトルが、NJ時代に再発される場合、NJの住所に書き換えられずに、住所表記そのものが抹消されるケースが多々あります。
 



住所が書き換えられた例 (7139番)
 左: オリジナル 「new york, 19 n.y.」
 右: 再発 「Bergenfield, N.J.」
  (なお、7139番には「住所抹消」タイプも存在します。)





住所が抹消された例 (7132番)
 左: オリジナル 「new york, 19 N.Y.」
右: 再発 「住所抹消」


 
NYC(446・447)アドレス期で初めから住所表記がないタイトルは 7133,7134,7135 の3枚だけです。

したがって、それ以外でジャケット裏に住所表記が無いものは全て再発ジャケットになります。



書き換えられているものは 「あっNJだ、再発だ」 とすぐ気付くのですが、抹消されているものは住所抹消以外すべての判定要素が初発ジャケと同一のものも多く気付きにくいので注意が必要です。

(住所が抹消されているものでも、オリジナル・ジャケット時に背文字が無かったもの (次項参照)は、背文字が入ってきたりしますので気付くこともできます。) 
 

 

 


背文字の有無 および 背の形状   


背のバリエーションは出現順に次の4種類に分けられると思います。





写真上から、
 
① 7028番  Teddy Charles / Collaboration West
② 7106番  Webster Young / For Lady
③ 7212番  John Wright / Makin' Out
④ 7316番  John Coltrane / Black Pearles 


 
① 「背文字なし」    


ジャケ裏住所 「446」 の全て、 「447」のはじめの方の 11枚の初回仕様のジャケットの背には文字が入っていません。


背文字なしが初回仕様と思われるのは以下の番号です。

 7001~7063 (7058, 7062を除く)

これらの番号で「背文字」が入っているものは2nd以降となります。(背文字が入っているものは、たいていジャケ裏住所が「NJ」に書き換えられているか「抹消」されています。)




②③④ 「背文字あり」  


「背文字」 が入っているものは 「厚さ(形状)」 に違いのある3つのタイプが見られます。

市場では②は「背厚」、④は「背薄」 などと呼ばれます。
 

ただ、②と③はともに、ジャケットを解体すると背の部分にスペーサー (幅6mmほどの細長い厚紙) があり、背の部分の厚さ自体はともに 「およそ4mm」 とはっきりした差はありません。

むしろ形状に違いがあり③はやや丸みがあるのに対し、② は直角に角張っています。


厚さではなく形状に違いがあるわけですから、②の呼称は「背厚」ではなく 「角背」 が良いように思います。

 


(背部分の厚みはおよそ4mmとほぼ同一)
 



②③④がそれぞれ何番から何番まで、と表すには個体差もあって難しいところです。



目安としては、

②は、初発で最初に背文字が入った 7058番が最初で 7130番ぐらいまでは、ほぼ全ての背文字有りの番号で存在するようです。


7130番台あたりから 7210番あたりまでの間は ②③が混在してきます。③だけで②が見つからないものもありますが、②のあるものはそちらが初回仕様でしょう。


7210番台からは②③はなくなり ④になっていきます。(②の最終確認は7207番です。)

 

特に、再発スパンの短いマイルスやコルトレーンなどのリーダー作には、②③がともに存在するタイトルがありますが、②が初回仕様として珍重されます。
 




GEM表記    
 


GEM表記は オリジナル盤判定には付随的な要素ですが、「非オリジナル」の見分けに有効です。





ジャケット裏右下に 「Printed and Packaged by GEM Albums, Inc., N.Y.」 と表記されているものがあります。

GEM社は英語で書いてあるとおりジャケットの製造会社です。



「GEM」表記があるジャケットが初回仕様と思われるのは以下の番号です。

 7044, 7057, 7061, 7062, 7063
 7065~7116, 7118
 

GEM表記ありが初回仕様なのは、基本的には 7060番台~7110番台までなので、逆に7060番より前の番号でGEM表記があるジャケットは2nd以降との判断になります。 (上掲の通り7044,7057を除く。また7054のGEM無しはレア・ケースです。)



 


$3.98表記 (NEW JAZZ盤)  






NEW JAZZ の一部タイトルの初回仕様ジャケットには裏面上部に「$3.98」(あるいは単に 「3.98」) の表記があります。


値段が大書きしてあるので、「廉価盤」で質が落としてあるみたいですが、以前も書きましたが、当時の3.98ドルはLPレコードとして特別安い値段と言うわけではありません。

 
むしろNEW JAZZ盤は、大変音の良い盤が多く人気も高いです。




初回盤に 「$3.98 または 3.98」 表示があるのは以下の 10タイトルです。

8203, 8205, 8207, 8210, 8212
8213, 8215, 8216, 8217, 8219

 

 

色違い等デザイン上の相違 
 


プレスティッジは、同一タイトル・同一番号のレコードでもジャケットが異なるものが多く見られます。





上の 「7005 Concorde」 や 「7008 Wardell Gray Memorial」 のように、再発時にデザインそのものが変更されてしまった例は多数あります。


おそらく当時の人たちは、同一内容盤をダブって買ってしまうことも多かったでしょう。 (それが狙いだった、とまでは言いませんが・笑)

 


今日では、色違いや、字体の違いなどのネット情報も豊富で、次の 「7014 The New Miles Davis Quintet」 や 「7029 Sonny Rollins with MJQ」 などは、この記事をここまで読んでこられた方は周知のことと存じます。



左:1st  中:2nd (右上の「Prestige」の字体違い) 右:3rd
 
 
 


左:1st  中:2nd (左上の番号エラー修正) 右:3rd
 



多くの場合はこれまで述べてきたジャケットに関する各判定要素を満たしていればオリジナルの判定に迷うようなことはありません。




各判定要素を満たしていても、その上でなお違いがあるものとしては、以下のようなものがあります。




7003番 『Milt Jackson Quartet』

ともにジャケ裏446背文字なしですが、左は「ニスあり・額縁なし」、右は「ニスなし・額縁あり」 です。

(この後の再発ジャケの色が全て右の色のタイプであることからすると左が初発と思われる。または双方初発。)
 
 


 

7010番 『Elmo Hope / Meditations』

いずれもジャケ裏446背文字なしですが、左は「ニスあり・額縁なし」、中は右に比べてピンクががっていて「ニスなし・額縁あり」 、右は「ニスなし・額縁なし」 です。  出現率は大体、「左1:中2:右1」 ぐらい。

(中が初発で→左→右の順とは考えにくいことからすれば左が初発と思われる。または左と中が双方初発。)


 
 


7024番 『Sonny Stitt - Bud Powell - J.J.Johnson』

デザイン上は同じですが、ジャケット製造中の「貼り」の工程で取り出し口に対しての向きが異なったと思われます。 ともにジャケ裏446背文字なしですが、左は「ニスあり&額縁あり」、右は「ニス加工のみ」 です。 額縁があるので左が初発と考えられる。または双方初発。(何でもかんでもエラーが初発という先入観は禁物だと思います。)






7079番 『Sonny Rollins / Saxophone Colossus』

左2枚はジャケ裏住所NYC、一番右はジャケ裏NJ。写真では分かりづらいが、NJ期以降は「薄青」だが、NYC期は程度はまちまちだが少し「緑色」がかっている。また、ロリンズのシルエットも初期は顔が分かるほど黒が薄い。(ちなみに左はGG盤、中はフラット盤が入っていた。)
 
 



7142番 『John Coltrane / Soultrane』

右下の小さな「esmond edwards」の文字が上は「白」、下は「黒」。 出現率は 白1 : 黒9。 どちらが初発か不明。 市場では レア度から「白」が初発とされる。


 


 

7188番 『John Coltrane / Lush Life』

「PRESTIGE 7188」 の文字の色が左は「水色」、右は「白」。 「LUSH LIFE」 「JOHN COLTRANE」の文字の色も異なる。 左は背の形状が上述②「角背」のタイプ、右は③のタイプのため、左が初発と考えられる。




*  *  *  *  *




当ブログの過去の記事をお読みいただけばすぐお分かりいただけると思いますが、私は決してオリジナル盤至上主義者ではありません。


むしろ2ndプレスや3rdプレス、そしてもちろん日本盤も含めて音の良い物を見つけるのが楽しみだと思っています。



当然ながら、2ndや3rdはオリジナル(1stプレス)よりもずっとお値打ちであるべきです。


オークションなどで、売り手の知識不足や、あるいは時には知っていて必要な情報を意図的に隠して後発盤をオリジナルかのようにとして販売し、購入者があとで気づいてがっかりされることが無くなるようにと思ってこのオリジナル判定記事を書きました。


各判定要素ごとに示したレコード番号には多少の不足があるかもしれませんが、売る側も買う側もオリジナル盤の判定にはここまで気を配らなければならないのだということが伝わればよいなと思っています。(特に売る側の皆さん)




例えば、次のようなものは普通によく見られます。

Prestige 7126 S. Rollins / Tour De Force オリジナル盤 !!!
黄446W50th NYC 両面DG RVG刻印 コーティング・ジャケット
EX,EX  ¥33,000


これで送られてくるジャケットが 「ジャケ裏住所無し」 の2ndジャケットである可能性が十分あり得るのです。

完オリを求めるなら、これを見てジャケ裏「447」かどうか (または角背ジャケかどうか)を事前に問い合わせなければなりません。


送られてから苦情を言っても、 「オリジナル盤」は「盤がオリジナルという意味です。不明な点は事前に質問ください。」 と返されればおしまいです。


これを一般のレコードファンがちゃんと事前に質問してから買えますでしょうか?


やはり、お近くに信頼できる中古レコード店があればそちらでお買いになられるのがベターだと感じます。 もちろん検盤したり試聴したりもできますし。 ちょっぴり手前味噌でした(笑)





最後に、当記事で漏れているフラット・ディスクやDG有り盤の情報がありましたらぜひメール等でお知らせいただけましたら幸いです。


📩  radiodays.records@gmail.com



ただ、popsike などで 「prestige + 7290 + DG」などと検索して「2例ある」といったようなものはご遠慮ください。

(ネット・オークション出品者はミゾやフラットの有無を正しく認識・表記できていないケースが多々あるからです。 当記事はあくまでも実物所有または現認確認、写真確認を基本としています。)

 
 
 

長々とお読みいただきありがとうございました。

それでは本日も皆様のご来店をお待ちいたしております。





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おかげさまで今日現在、部門 第 1位 です。
 

 
 
 
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